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しおチャン

Author:しおチャン
還暦、リタイアで子供にかえって60年代ヒコーキプラモを作っています。
信州飯田のなかば田舎、半分街中のどっちつかずの田舎暮らしを楽しんでいます。

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おじ・おばからの贈り物、「おじさん・おばさん論」
ojioba

海野 弘著 「おじさん・おばさん論」。
ここでいう「おじさん・おばさん」はとりあえずは血縁関係のなかの叔父叔母と考えた
ほうが分かりやすそうです。
あなたにもだれか叔父叔母がいて、あなた自身もだれかの叔父叔母であるかもしれ
ません。

核家族化の中で叔父叔母の存在感はますます希薄になるばかり。
「おじさん・おばさんの思い出を持たない人は、自らおじさん・おばさんになった時
若い人たちに何かを贈ることを知らない。だからなにかを伝えることができない。
 伝えるべき何かを<文化>といってもいいかもしれない。」

著者は叔父叔母と甥や姪との「斜めの関係」をもっと豊かにすることはできないもの
だろうかと思うのです。

そこで、著者は色んな文学作品の中の「伝えるもの」としての叔父叔母を例に挙げて
いきます。
さらに文化人類学の助けを借りて、父系社会・母系社会の叔父叔母の役割を吟味
して母系社会の叔父叔母関係の濃密さに学ぶべきところがあるとしています。

母系社会で子供を成長させるのは、父親ではなく母親の兄弟である叔父や叔母だった。
中世の騎士物語で戦場で若武者を育てる役割は叔父が担ったのは、その名残。

「近代の繁栄のためには、父系の選択は正しかったかもしれない。しかしそこで
近代人の孤独は深まったかもしれない。自己は確立したが、オジ・オバの影が薄くなると
ともに、他者への斜めの想像力は弱まったのではないか。」

もういちど叔父・叔母と甥・姪関係のきずな力を見直そうという本でした。
「斜めの関係」なんて、これまでそんな事思ったこともなかったので、虚を突かれたというか
新鮮さを感じました。



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こんな本を読んでみた | 17:02:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
日本の未来を言い当ててきた。「預言者 梅棹忠夫」
yogensya

日本の知の巨人だった一人、梅棹忠夫さんは文化事業をずっとリード
してきた方でした。
東谷 暁 著「預言者 梅棹忠夫」は、戦後の日本の高度成長やバブル・
ソ連崩壊などを早くから言い当ててきた梅棹学に独自の観点から光を当
てています。

「日本文化はもう終わり」と宣言した梅棹忠夫の、徹底した「明るい」虚無感
に迫っているのがおもしろいところ。

気になる預言が一つあります。
1959年の講演。
日本はやがて豊かになっていくだろうけれど、日本人の多くは牙を抜かれたイノシシ
つまりは豚になるだろう。
「エアコンディショニングはあるかもしれないが、それは誰かにコントロールされている。
誰かに握られているんです。しかしその状況を肯定する限り、かれらブタの一家の生活
は大変快適なんです。」

1978年の講演では。
未来の街は「あそび屋」と「あそばせ屋」が忙しく動き回っている。
「けっきょくわしら一億、ちかいうちにあそばせ屋とあそび屋とが、時には役割を交換し
ながら、仲良く暮らしていける日が来るかもしれない、ということです。
わたしはどうもそれならそれでいいんじゃないかと考えているんです。」

社会状況としてはどうもそんな風に向かっているような気が私はしますね。
ただし、ブタはいつか精神のキバを生やすかも、とも言っているそうですが。。

こんな本を読んでみた | 18:10:34 | トラックバック(0) | コメント(0)
翻訳家の文章は美しい。工藤幸雄 「僕の翻訳人生」
bokuno

ポーランド文学の翻訳者として第一人者とされていた工藤幸雄さんの本。
翻訳者の自伝であり、翻訳文学論でもある。
ずいぶん前にカプシチンスキのドキュメンタリー「帝国」を読んだときに
その翻訳文の見事さに翻訳者の工藤さんに注目してきました。
数年前に亡くなられています。

翻訳をするなら日本語にこだわらないといけないと、うるさすぎるくらいの
エピソード満載。
 自伝としても戦後史としても面白いエピソードに満ちてます。

1970年前後にポーランドに7年間奥さんとともに留学して、共産圏で
の暮らしを体験し、その後も交流を続け共産圏の崩壊も目撃しています。
 帰国の船旅で、「まいあさ出される半熟のたまごの色にそれが反映された。
尋常な黄身の色ではなく栄養不足のせいか貧血気味で、黄身とも呼べない
ほどに蒼白なのだ。」

ポーランド文学というお金にならないものを専門にしたので、生活のため
ポルノ小説の翻訳で糊口をしのぐこともあったとか。
小説家の井上光晴と話をしていたら「近頃は翻訳ポルノに傑作が多い」
と彼が漏らしたが、聞き流すふりをした。
「僕のは読んだかと聞きただす勇気はなかった。」

いまどきのお笑い番組にはないお笑いでしょ(笑)。

warusya

こちらは、その奥さんがポーランドでの7年間の暮らしを書いたエッセイ。
貧しい外国暮らしの中で、豊かさについて考えさせられる本です。
ホントに魅力たっぷりのご夫婦です。

こんな本を読んでみた | 13:52:40 | トラックバック(0) | コメント(2)
よく見極めないと命にかかわる 「経済政策で人は死ぬか?」
keizaise

デヴィットスタックラー、サンジェイバス著 「経済政策で人は死ぬか?」

結論を言うなら、この世界不況で誤った経済政策を選択したために、
大勢が死んでいる、ということになります。
アジア通貨危機のときのインドネシア・韓国とマレーシアの選択の違い。
ギリシャとアイスランドの違いなどを公衆衛生の観点から検討しています。

「債務危機に直面した国には、医療や食料費補助、住宅補助といった社会保護
政策に支出する余裕などないと思う人は少なくないだろう。ところが現実のデータ
を調べてみると、」「特定の社会保護政策への予算投入は短期的に経済を刺激し、
結果的に債務軽減にもつながることが分かる。」

「逆に急激かつ大規模な財政緊縮策の結果を調べてみると、当初の意図に反して
景気低迷を長引かせる結果に終わっている。」

この二人の研究者は、学生時代ホームレスになって死にかけたり、病気の家族を助けて
苦学したりして統計学・公衆衛生学を学んだ方たち。
世界中の不況対策の成功失敗例をまとめました。

 薬はたくさんの治験を経て安全性と有効性が認められたうえで導入される
のに、大勢の命を左右する財政政策にはこうしたプロセスがない、という
著者の指摘は重い。

日本でも高齢化などを社会保障の削減策で乗り切ろうとしてたくさんのほころびを
作ってきています。
大変な財政赤字を抱えている以上しかたがないという受け止め方が大勢ですが、
これは間違いかもしれません。

衆院解散がいわれてますが、緊縮財政と社会保障を対立概念とする政治家が
与野党問わずいっぱいいます。すくなくともそういう不勉強な政治家だけは選ば
ないようにしなければ、将来を誤ることになるかもしれません。


こんな本を読んでみた | 18:23:51 | トラックバック(0) | コメント(0)
電気がないと社会は崩壊  「ブラックアウト」
burakkuauto

マルク・エルスベルグ 「ブラックアウト」上下 角川文庫

サイバーテロで電気の供給が止まったヨーロッパを舞台にした
サスペンス小説。
フクシマの出来事をヒントに、停電による社会インフラの崩壊と
原子力発電所の事故に瀕した世界をリアルに描いています。

原発を廃止したドイツと、そのドイツに原発の電力を供給する
フランスの立場の違いなど、おもしろい切り口も見え隠れします。

上下2巻でたくさんの登場人物、しかも場面転換が多くて、
ついていくのにやっとでしたが、よく調べられた面白い本でした。

こんな本を読んでみた | 18:05:21 | トラックバック(0) | コメント(0)
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