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しおチャン

Author:しおチャン
還暦、リタイアで子供にかえって60年代ヒコーキプラモを作っています。
信州飯田のなかば田舎、半分街中のどっちつかずの田舎暮らしを楽しんでいます。

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ソ連が舞台のサスペンス、「ツンドラの殺意」
ツンドラ

サスペンス小説も私は好きです。
スチュアート・カミンスキーの「ツンドラの殺意」、1989年度エドガー賞受賞作。
ロストニコフ捜査官シリーズは全部で16冊あるのですが、邦訳が出ているのは
たった3冊。
どれも面白いです。

邦訳が出たのは1990年ころ。
ソ連が舞台のサスペンスはまだ珍しかったころです。
KGBや官僚組織、スパイ、ロシアンマフィアなど登場する仕掛けは充分。
面白くなるのは当然ですね。

また、ちょっとくたびれたロストニコフ捜査官と助手のやり取りの面白さも
読みどころ。
暗いソ連にやや間の抜けた軽妙さの対照にも独特の味わいがあります。

作者のカミンスキーが亡くなって10年くらい。
これだけ面白いのに続編の邦訳が出ないのは、出版不況のあおりなんでしょうか。
残念なことです。
英文で読めるようにトレーニングするしかない?
そりゃあ、ムリ無理(笑)、なんとか邦訳だしてー。


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こんな本を読んでみた | 19:23:39 | トラックバック(0) | コメント(0)
「鉞子(エツコ)」 世界を魅了した「武士の娘」の生涯
エツコ

19世紀末から戦前までの間、欧米で何回かのジャポニズムの
ブームがあって、内村鑑三や新渡戸稲造、岡倉天心などの著作が
もてはやされました。
その流れの中でベストセラーになったのが杉本鉞子の「武士の娘」でした。

「武士の娘」は明治維新で朝敵となった長岡藩の没落した士族の娘が
辛苦の末にアメリカに移住した半生を描いたものです。
内田義雄のこの本は、「武士の娘」が書かれた背景を調べてまとめた
本です。

四書五経を学ぶところから始まる封建社会の中から生まれ育った鉞子が
なぜ近代民主国家の人々を瞠目させるような不屈の精神と気品ある人格
を持つにいたるのか。
これが内田さんの書きたかったことでしょう。

鉞子自身も執筆の動機を、こう述べています。
「米国人は心を開いて日本を知ろうと努力するけれども、とにかく思い違いが
多い。」
「自分の生い立った貧乏武士の家庭生活、むしろ西洋文化の影響を受けること
の少なかった時代の純日本夫人の教養というような方面を語ってみた。」

近代民主社会の理想は、封建社会から搾りだされた要素を土台に成立してます。
民主社会が拝金主義に変質した時代に、鉞子が提示した封建社会の良質な要素
が新鮮に映るのはむしろ当然だったのかもしれません。
もちろん、これは現代にも通用するテーマだと思います。

NHKの朝の連続テレビ小説や大河ドラマのテーマにもなりそうなくらいの内容ですが
アメリカ生活が長くて日本では無名なので、テレビ化は難しいのかと思います。

こんな本を読んでみた | 16:05:19 | トラックバック(0) | コメント(0)
とてもリアルな歴史もの 「わかっていただけますかねえ」
わかっていただけますかねえ
ジム・シェパード 「わかっていただけますかねえ」

歴史物の短編なんですが、きわだって面白いのは語り口のリアルさの味わいですね。

帯封のことばから
「今昔の歴史のひと幕から、渦中の人物になりきって語る11の体験談」

選ばれたテーマはさまざまです。
イギリスを征服してブリトン人と戦う古代ローマ軍団の事務官、
アラスカの入江で高さ500メートルの津波におそわれた子供の20年後、
世界初の宇宙飛行士テレシコワの恋、などなど。

作者ジム・シェパードの書き方は、膨大な資料の読み込みでテーマの細部を
肉付けしてリアルな短編物語にしていきます。

たとえば、ヒマラヤでイエティを探し求めた登山家の話では、
ヒントは登山家ルドルフ・マイスナーの回想録の中に登場する人物です。
その人物は、ナチのヒムラーの命で優等人種に関する調査とイエティをさがすため
ヒマラヤにきた文化人類学者。
そこで著者はナチの優勢思想や1930年代のヒマラヤ登山について調べまくった
わけです。
そしてこの人類学者の眼でヒマラヤを描いています。

どの短編もその時代に引き込まれるような面白さが味わえました。






こんな本を読んでみた | 21:42:28 | トラックバック(0) | コメント(0)
「ママたちが非常事態 !?」 NHKスペシャル取材班
ママ

昨年の冬に放送されて大きな反響を読んだHNKスペシャルの内容をまとめたもの。
子育てがつらい!というのはどういうことなのか。
最新科学で読み解くニッポンの子育て。

ああ、子育てママね。保育所もできるしイクメンの旦那たちも増えていくし大丈夫でしょ。
いやいや、すぐに対症療法に行くまえに、なにがどうなって育児がつらいという気持ちに
なるのかを科学の力を借りて解明しましょというのがこの本です。

このプロジェクトを進めたのが自身が子育てに苦しむ女性プロデューサー。
協力したのがやはり子育て経験のある研究者たち。
その解明の結果が
「ニッポンのママを追いつめている子育ての苦難、それは人類の長い歴史の中で
初めて直面するほどの非常事態なのです。」

700万年にわたる人類の子育ての歴史や最新の脳科学からみる母親と子供の
脳内の変化など、驚きの話がいっぱいありました。

赤ちゃんの夜泣きやいやいや期、人見知りがなぜ起こるのかを知るだけでも
気持ちにゆとりが持てるかもしれません。
赤ちゃんと母親、母親と旦那さんとのアイコンタクトの重要性など、脳科学の
成果も興味深いです。

もう子育てが終わった世代にもできることはあるわけで、この本はひろく
読まれる必要があるなあと思いました。

こんな本を読んでみた | 19:03:27 | トラックバック(0) | コメント(0)
とても読みごたえのあった本 「ホテル・ルワンダの男」
ホテル・ルワンダの男

先月読んだ本の中で一番読みごたえのある本でした。
ポール・ルセサバギナ 「ホテル・ルワンダの男」
1998年、アフリカのルワンダで100日間に80万人が虐殺された事件がありました。
そのなかで、ホテル・ルワンダに避難した1286人を虐殺から守り抜いたホテルの
支配人の本です。

著者はホテルの支配人その人。
かれは自分や避難民を殺しに来た兵士や民兵に対して、酒を勧め話たくみに注意をそらし
銃口を降ろさせて気分よく送り出すことを繰り返します。

「私が相手の中に見出そうとしていたのは穏和な部分だった。ひとたびそこに手を触れる
ことができれば、あとはこっちのものだった。敵対する相手と向かい合って座り、友達として
接することでその穏和な部分に触れることができるなら、私は喜んで相手のグラスに
スコッチを注いだ。」

そのなかで彼は人間の中に「残忍さとおそろしいまでの正常さが背中合わせにある」ことに
考え込むようになります。

私はルワンダの虐殺はアフリカの独裁国家で起こった民族紛争がエスカレートしたもの
と思っていました。
後進国にありがちな話だなあと。
この本を読んでそんな認識は捨てなければと思いました。
そもそもツチ族とフツ族という民族も、昔ベルギーが植民地支配のために作りだしたもの。
もともと同じ民族だったというのです。

彼は、アフリカだけで起こることではないといいます。
対立を作り出して都合のいいように支配するという方法は弱い政府の常とう手段。
それに操られて暴走する国民という図式は世界の歴史に溢れている。

「集団から外れ、ノーという内なる強さを見いだせ」る個人に、彼は希望を見出している
のですが。
それだけではどうなんだろう。

たしかに社会の対立軸はどんなふうにでも作りだせそうですね。
難民問題、民族問題、正社員と派遣の格差、若者と年寄りのの年金格差などなど。
それにつけ込む国も政治家もいっぱいいます。
そんな人に煽られない個人にならなくちゃですね。


こんな本を読んでみた | 21:15:28 | トラックバック(0) | コメント(0)
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