2016-04-08 Fri
こんなぞくぞくするような楽しい短歌の本ははじめてでした。
小林恭二著 「短歌パラダイス 歌合二十四番勝負」 岩波新書。
歌人同士、一対一で歌の優劣を競い合う「歌合」(うたあわせ)、和歌の合戦ですね。
男女二十人の歌人が一泊二日で伊豆に集い、古式ゆかしい歌合わせを再現したものです。
一日目は2チームに分かれてお題ごとに歌の優劣をめぐるディベート合戦。
自分のチームの歌をほめまくり、相手チームの歌をこき下ろしあう。
互いに本音で言いきれないところも含めて、笑えて面白いんです。
そのうちに、そうか和歌はこういう風に味わうものなのか、こんなにも表現にこだわるのかあ、と
関心するばかり。
そのうちみんな本気度がつのって徹夜で準備したそうで、二日目は名前を上げずに作品の優劣を
議論します。
名前がわからないだけにだんだん話に熱を帯びてきて、観賞するうえでの深いお話が満載です。
俵万智、河野裕子などそうそうたる出場者の人となりもうかがえて、いやあ面白く読みました。
私のように短歌に縁がないものが読んでもその良さが感じられるいい本でした。
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