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しおチャン

Author:しおチャン
還暦、リタイアで子供にかえって60年代ヒコーキプラモを作っています。
信州飯田のなかば田舎、半分街中のどっちつかずの田舎暮らしを楽しんでいます。

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詩人の自伝の最高峰、金子光晴「詩人」
金子

日本の詩人のなかでも独自の頂点に立つ金子光晴。
その自伝には今回読んだ「詩人」とさらに10年くらい後にかかれた
「絶望の精神史」の二冊があります。
どちらも自伝としての評価が非常に高い本です。
今回の「詩人」は、昭森社の金子光晴全集第5巻に収録されています。

「平々凡々たる典型で、その故にこそ、凡々たるじぶんから脱却したくて、
謀反を起こして、収拾のつかない結果をひき出し」てきた。
何回もの「血のさわぎ」の軌跡を、60才を区切りとして回想しています。

戦前戦後を通して、日本にもなじめず、かといって海外に行っても違和感を
感じ、いる場所がない閉塞感を抱えながら生き抜いた精神の軌跡は、そのまま
社会を外側から冷静に見つめた記録になっています。
私などには理解できないこともありますが、一つ一つのできごとが生き生きとしていて
とても面白いのです。

一人息子を徴兵から守るために寒風にさらす父親であり、空襲を予想して
いち早く田舎に疎開する行動の人でもある。
「やはりこの戦争は、僕にとって、恥辱としか思えなかった。マレー蘭印を通ってきた
僕は、つぶさに植民地の支配者たちの積年の悪と、その結果を見てきて」、「結局それは
薄汚い利害の争奪戦である」
バケツリレーなどやめてすぐに逃げること、と説く隣組の班長さんでもありました。
非協力の貫き方も金子独特の図太さがあります。

「ふりかえって、さて、僕の生涯で、なにがのこるだろう。それは、僕が、僕のやり方で、
僕の人生を愛したということだけではないか。」
この言葉が一番、金子光晴らしいのかもしれません。
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こんな本を読んでみた | 20:15:27 | トラックバック(0) | コメント(0)
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